塗装工事はどんな業者へ依頼すべき?
マイホームの壁、汚れが目立ってきた……
自然災害などの被害で、壁がボロボロ……
さまざまな理由で、塗装工事を考えている方がいらっしゃると思います。
しかしいざ施工を依頼したいと思ったその時、ふさわしい業者を見極めるには、どのようなポイントをチェックしなければならないのでしょうか。
- 塗料の性能を熟知している
- 工事の施工品質に自信がある
上記2点は、塗装工事を請け負うプロとして当然のことといえるでしょう。
では、他のどんなポイントを比較すればよいのでしょうか?
結論からいえば、塗装工事の際に重要なのは、下地となる建物(=塗料を塗る外壁材)をきちんと理解できているかどうかです。
そのため、建物を総合的に見る目をもっていたり、建物そのものの工事が可能な業者へ依頼するのが安心といえるでしょう。
このページでは、塗装工事をしたい方へ、塗装とそれを請け負う業者について説明します。
建物の寿命は延ばせる!
住宅の外壁の種類は様々ありますが、どのような素材を用いたとしても、必ず寿命がやってきます。
なぜなら、外壁も太陽光や雨風に晒されることで消耗するからです。
「せっかくのマイホーム、少しでも寿命を延ばしたい…」
こんな時、塗装工事があなたのお役に立ちます。
人が紫外線から肌を守るのと同じように、外壁を塗装することで有害な紫外線などから壁を守り、建物の寿命を延ばすことができるのです。
建物の寿命を延ばすために、外壁にどんな塗料を塗れば良いか?
外壁の塗装に使用する塗料には、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などがあります。
様々な種類がありますが、これら塗料の多くは原料に樹脂を使用しており、顔料を混ぜて着色したものを利用します。
また、それら樹脂を更に強くするために、セラミックなどの高耐久材料を混ぜるといった工夫をしているものもあります。
近年、ゲリラ豪雨など住宅にストレスを与える異常気象・自然災害が様々に発生していることもあり、外壁へのストレスは強まる一方です。
塗装工事で住宅の補強をはかることをおすすめします。
外壁の種類で耐久性も変わってくる?!
塗料の耐久性は、商品ごとに異なります。
下記は主な塗料の名前と、その耐久年数や特徴の一覧です。
塗料の種類 | 耐久年数 | 主な特徴 |
---|---|---|
アクリル | 5年~7年 | 埃を寄せ付けにくい特徴があるが耐久性に欠ける |
ウレタン | 8年~10年 | 高い耐水性と防藻性でシリコンと同等程度の耐久性能 |
シリコン | 10年~12年 | 断トツの一番人気の塗料、建物次第では早く劣化することも |
フッ素 | 10年~15年 | 樹脂系塗料の中で唯一、紫外線より強い素材特性を持つ |
光触媒 | 5年~15年 | 外壁に色を付けた上で触媒を塗布する工程のため、コストが高い |
無機質塗料 | 15年~20年 | 長期間に渡り光沢を維持するも、建物の構造次第では不向きな場合も |
これら塗料の情報とあわせてチェックしたいのが、下地(外壁本体)の状態です。
上の表にある耐久年数や、“主な特徴”欄にある性能を十分に発揮できるかどうかは、下地となる外壁そのものの素材によって変わるためです。
このため、塗装工事においては塗料のみでなく外壁材(素材・状態)もあわせて重要であるといえます。
また、塗膜(塗装工事した箇所)の劣化の速さも外壁材の状態によって変わります。
外壁材の通気がとれており、表面温度を下げる工法になっているのが良い状態です。
逆に悪い状態というのは、通気が悪く、熱がこもりやすい工法の外壁材です。このような外壁材では、塗料の性能は十分に出せません。
その場合には、塗料の性能を上げる(強い樹脂にする)か、外壁材を貼り替えるなどの対応をするとよいでしょう。
また、塗膜は紫外線や熱だけでなく、雨や雪といった外的要因でも少しずつ削れていきます。
そのため、各塗料のゲリラ豪雨などに対する耐久性も確認・比較し、判断材料のひとつにしましょう。
塗料の寿命と保証の長さは比例しない!
塗装工事が大切な住宅を守ることを、お分かりいただけたでしょうか。
せっかくの塗装工事ですから、工事結果がより長い期間保証されるのであれば嬉しいですね。皆さんが工事業者を選定する際に、保証期間が判断材料のひとつになることと思います。
でも、ちょっと待ってください!
塗装工事の一般的な保証年数について知らないまま、保証年数の長さばかりで業者を選択しようとしていませんか?
この保証年数ですが、実は塗装工事を請け負う業者が独断で年数を決めることが可能です。
つまり、長く保証しようと思えば、いくらでも期間を延ばせるのです。
このような状況のため、中には一般的な保証年数は5年前後であるにもかかわらず、平気で10年以上の保証をしている業者も存在しています。
なぜ10年以上の保証が悪いの?
そもそも日本の住宅寿命は35年程度と言われています。このため、築年数が25年以上経っている建物には、建物の揺れ(地震や車などの振動)により常にストレスがかかっています。
ここまでお読み頂いた方はもうお分かりでしょう。
どのような高級塗料を塗っても、下地である建物自体の状態が疲弊しきっていれば、塗料の性能が十分に発揮できません。
そして、外壁材や建物の振動などからの塗膜劣化に対しては、どこの会社であっても保証対象外になります。
ですから、保証期間はむやみやたらと長いことが良いのでなく、等しく存在する建造物の経年劣化に伴うふさわしい年数が存在します。
保証年数ばかりを売りにする会社は危険です。保証されているのは「塗膜」部分のみのため、必ずしも保証が効くとは限りません。
なぜなら、保証をつけた十数年先までその会社が存在しているかどうかは保証されていないためです。
保証内容については、年数でなく、どこまで、何を保証しているかを確認するようにしましょう。
また、あなたの住宅が築年数25年以上といったパターンに該当する際は、対応を信頼できる業者に相談するとよいでしょう。
正しい工事業者を選ぶために
建物を総合的に工事できる会社(=住宅を総合的に見ることができ、長い目で見た際によい判断・提案ができる会社)の中から、3社以上へ見積りを依頼しましょう。
お見積りと提案を納得するまで比較する事が、お客様にとっての長期間の安心につながります。
良い業者を選択し、あなたの大切な住宅とより永く付き合っていきましょう!